サッカーは創造力
サッカーをモチーフに。 サッカーをメタファーに。
プロフェッショナル
YHEYです。

10月1日から日経新聞の1面で「働くニホン」という記事が連載されています。
第一部のタイトルは「きしみを越えて」
まさに大きなきしみが働く現場に押し寄せていると思います。

**

派遣社員に対する世間のイメージは最近変わってきているように思います。
有給を始めとする福利厚生や昇給、処遇などの諸条件がそろっていればの話しですが、正社員への勧誘があっても派遣のままでいることを選択する人が増えているようです。

この理由は主に2つあります。
1.正社員になってその企業の人事制度など様々な制度に縛られたくないため
2.やりがいを感じられなくなったらすぐに辞められるようにしておくため

生活が豊かになり、「働きがい」を求める人が増えています。

**

この傾向は企業にとっても前向きに捉えることができると思います。
業務内容にもよりますが、ある仕事に対して1年を通してずっと同じ人数の従業員が必要なわけではありません。ある時期はAという仕事がピークであり、また別の時期にはBという仕事がピークになる。

であれば、柔軟に従業員の数を変えられることは経営にとって重要なことであり、派遣社員を多く抱えているほうが正社員よりも流動性は高いと考えられます。

**

働く個人のあり方、企業のあり方は大きく変わりつつあります。

有名なWikipediaですが、フルタイムで働いている従業員は2名だそうです。
そのWikipediaの編集に協力したことがある人は36000人以上と言われています。

サラリーマンがいつまでもサラリーマンである必要が、個人にとっても企業にとってもなくなってくるのかもしれません。

**

スーパー派遣という言葉が世間をにぎわせました。
これはいわば、プロフェッショナルのことだと思います。

ハリウッドで映画を作るように、各プロフェッショナルが集まって1つのプロジェクトを成し遂げる。
こういったことがもっと一般的になってくるかもしれません。

この場合、個人は企業に対してコミットするのではなく、自分のやりたいこと、得意な領域に対してコミットします。そこには内発的動機が生まれ、高いモチベーションが維持されます。

階層的な地位や肩書きは意味を成さなくなり、個人のreputation(評判、あの人だったら任せて大丈夫だろう感)が重要となります。
スラムダンクの陵南VS海南で魚住が退場した後でも陵南メンバー全員が「でも仙道だったらやってくれる」と期待したあの感じです。

**

プロサッカーやプロ野球などは既にこの形態での産業です。
個々人がプロフェッショナルとして働き、プロとしての価値がなくなれば仕事を追われる。
厳しい世界ですが、だからこそ自己研鑽に励みます。

**

もちろん企業がなくなることはありえないし、3、4年前よりはベンチャー志向が薄れて安定志向にシフトしている調査結果もあります。

しかし、このきしみは止められないと思います。企業のモチベーション・エンジニアリングが重要視されていますが、もっと個人に寄り添った対策を打たないと人心を掌握することは難しくなっています。

さらなるやりがい、内発的動機を求め、足場を企業に置くのではなく共通の利益や目標、価値から生じる行動が個人や組織を結ぶ鍵になります。

**

「働くニホン」の第1回の最後はこう締めくくられています。
「社員と会社が背を向け合っていては共倒れの危険が増す。個の意欲と組織の効率を両立させる均衡点を見いだす。古い共同体を超え、新しい「働くニホン」を築く時だ。 」

組織はもっと個に目を向ける必要が、個は自らのreputationを高める必要が今後ますます高まると思います。

この日経の記事は人ごとではなく自らに降りかかってくる大きなパラダイム・シフトを実感させるものだったので、いつもの記事とは毛色が違いますがここで紹介しました。 
コメント
この記事へのコメント
企業の視点から見たときにどうなんだろうね?この動きって。
少し前になるけど、私もこの記事、興味深く読んだよ。

今の職場はyheyが指摘する動きが顕著に現れてる職場で、
派遣社員や契約社員率が肌感覚で4割ぐらい。
さらに新卒採用をせず、中途採用しかないので転職率がとても高い!!
当然のことながら「定年までこの会社で働こう」と思っている人は皆無に等しいわけで。

そうなると、個々人の能力は高くて、
新しい事業を立ち上げるとか、現状のビジネスの改善とかには
とても大きな力を発揮できるんだけど、
企業としての持続的な成長や他人の人材育成に重きをおいて仕事をする人は少なくなってくる。
yheyも知ってる通り、前の職場はとても人材育成に力を入れてる環境だったから、
これはものすごい違和感だったな。
個々人がそれぞれの能力を磨くのはもちろん重要だけれど、
組織への帰属意識っていうのが薄れてしまうのは
組織の経営という観点で見たときに危険なことじゃないのか?って。

…かくいう私も、今の職場はやりたい仕事をするためのステップのひとつに過ぎないと思っているけど。。。
2007/11/05(月) 14:47:49 | URL | さかたま #EZQMSE6U[ 編集]
>さかたま
確かに企業の持続的成長っていう観点から見たら帰属意識が薄れていくっていうのはまずいよね。

ValueとかCommunityっていうのがそこら辺を打破するキーワードだと僕は思ってるんだけど、企業がもっと個人寄りにシフトしないとこの流れは止まらないんじゃないかな。
2007/11/11(日) 04:02:04 | URL | YHEY #bNXzFvzo[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://side22.blog97.fc2.com/tb.php/31-4f04d45c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック